誇大広告というのは、中身を実際のもの以上によいものであると宣伝することを指します。質の悪い広告方法ではあるんですが、本の宣伝ではけっこうグレーな領域だったりします。本は、読んだ人によって受け取り方が異なるからです。過剰な宣伝によって期待値が上がりすぎてしまい、そこまでよいものとは思えなかった、なんていうこともありますからね。
今回紹介するマンガは、帯文が過激なコピーなんですが、そのインパクトに見合う内容の作品となっています。

 

 

 

 
近未来東アジア情勢漫画!もはや空想の出来事とは言い切れない!日本の明日はこうかもしれない!20××、年憲法改正し国防軍も持った日本が舞台。主人公は外務省の国際情報分析官、物部太郎。その知識と体力で大胆な分析を押し通す男。
中国の4大銀行頭取失踪を皮切りに一気に日中開戦へと舵を切る東アジア情勢!その渦中、開戦阻止へ向けがむしゃらに動く主人公!しかし、世界はもっと大きなからくりを用意している!負けるな、物部太郎!

 

 

ホットな話題になってきた戦争フィクションのマンガです。 特定秘密保護法だったり、憲法9条の問題だったりが取り沙汰されて久しいですが、僕らが考えることと言えば、「戦争は起きるのか、起こらないのか」ということですよね。皆さんの関心の高さは、ライブドア旧社長の堀江貴文さんが

 

なんで皆そんなに戦争を恐れるのだろうか?−HORIEMON.COM

 

という記事をわざわざ書いているくらいですから、けっこうなもんだと思います。

 

 

堀江さんは、戦争は起きない!ということをおっしゃっていますが、もし仮に起きるとしたらどんな経緯で戦端が開かれるのか。ということをこのマンガでは示してくれています。

 

 

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舞台は近未来日本。憲法改正が果たされ、国防軍の存在が公のものとなっている頃・・・。
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財政状況は現在と比較して悪化の一途をたどり、借金が際限なくふくらんだ。
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米中日が抱える問題を考えた時に、とっておきの解決策があるということが主人公のによって明らかにされます。
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それは、日中戦争なんだという筋書き。なかなかショッキングなマンガですが、読み応えがありますね。

 

 

本作では日本対中国という構図を元にストーリーが作られていますが、気になるのはアメリカの動向です。日米安全保障条約があるとはいえ、どういう行動に出てくるのか。そこもまた興味深い部分。

 

 

思考のポイントは、戦争によって誰がどんなメリットを享受するのかということ。本作ではそのヒントをアメリカが握っているような気がしています。今後の展開に期待です。

 

 

本書ではうん?となるようなポイントに解説記事が掲載されていて、その記事がよりリアリティをもたらしています。

 

 
先日、オバマ大統領が来日し「尖閣諸島は、日米安保条約の第五条の対象である」と発言した。(中略)
彼が「五条の対象だ」と言ったのは、尖閣が中国に獲られた場合、五条にあるとおりに「それで、本当にアメリカの平和及び安全が危うくなるか?」を熟考し「その結果をアメリカ議会に問う」という意味だ。だが、議会が熟考しても、石油も出ない単なる岩山が中国に獲られたら、アメリカは自国の平和及び安全が危うくなると考えるだろうか?残念だが、それは有り得ない。

 

 

実際に大統領権限っていうのがどれほどのものなのか僕は知らなかったので、こういう解説もなかなか面白いです。好奇心が刺激されますね。

 

 

というわけで、なかなかこういうジャンルの本を読む方っていうのは少ないかもしれないんですが、とっても興味深いのでみなさんもぜひ。

 

 

経済とか世界情勢などへの好奇心をそそられること間違いなし!今読んでおくべき漫画っていう文句はピッタリの宣伝文句です。それでは、最後に僕が思わずうなった巻末の予告を紹介して終わりにしたいと思います。

 

 
二〇一五年二月発売予定の第2集まで現実は待ってくれるのか!?

 

 

どう考えてもガンダム予告編!

 

 

好奇心がすべての扉をひらく